近年、女性の社会進出が目覚ましく、スーツを着て颯爽と歩く女性達が増えました。「男は外に出ると7人の敵がいる」と言いますが、「女は17人の敵がいる」と私は思っています。まだまだ日本は男社会で、外に出ると女性はやはり適当にあしらわれることが多い。そのような中で女性が頑張ろうとすると、ついつい顔も言葉も態度もきつくなりがちです。これは女性が120%頑張り、無理をしているのです。これが今の日本の働く女性達の現状なのです。その張り詰めた緊張を優しく解いてあげて、可愛い女性に戻してあげるのが、ミスパリの仕事です。そして、私は男も女も美しさはその人の持つ能力の一つと考えています。頑張る女性達をミスパリで美しくチャーミングに仕上げ、磨き上げ、仕事にもプライベートにも自信を持って華やかな人生を歩んでほしいと願っています。「ミスパリ」が誕生する4、5年前、副社長が「大学生を採用しよう―」と言い出しました。その時代に大学を卒業した人達の中でエステテイシャンになろうと考えている人はいませんでした。

 

 

しかし、エグゼクテイブが集まるサロンで働くエステティシャンは大学で身に付けた知識や教養を生かせる仕事です。ですから、大学にも求人を出そうということになり、大学の就職課へ行ってみると、「うちの大学からエステティックの会社には学生を送れません」とけんもほろろに断られたこともありました。東京での大学生の説明会に18人もの申し込みがあったと聞き、大阪から副社長と店長と人事の三人が勇んで出掛けると、思い切って借りたホテルの会場に一人の学生も来なかったこともあります。何回目かの説明会でやっと一人だけ来てくれたかと思えば、その一橋大学の学生は会社を間違えてやって来ていた、なんていうこともありました。世の中に認められない新しい職種の悔しさをいやというほど味わいました。しかし、人のやらないことをやるのが当社の社風ですから、その後も懲りずに大学生の採用活動を行いました。入社してくる大学生は年々一人二人と増えていき、それから14年経ちましたが、今では社員の70%が大卒者です。お金もなく、歴史もなかったエステティックの会社が大学生の採用を始めたのですから、人事担当者の熱意と心意気に感じるものがあったのでしょう。平成二〇年度、リクルートの大学生人気企業ランキングでは、サービス業1万700社中シェイプアップハウスは20位にランキングされるまでになりました。